人と企業に幸せを~ビジョリータ通信 Vol.6

[パーソナルブランディング]

 前号では「あなたは誰を幸せにしたいですか」まで考えました。次に、あなたの武器を点検します。自分が幸せになるために、そして、誰かを幸せにするために、あなたはどんな強みを持っているでしょうか。あるいは強化しないといけないでしょうか。人脈、持っているもの(家とかオーブンとか…かたちのあるもの全般)、金(たくさんあるほど良い)、資格、スキル、経験、性格…。冒頭の「想い」のところでも書きましたが、多くの人は自分のことがよくわかりません。だから親しい人に点検してもらうのも良い手です。

 そして次は周囲の状況です。あなたがあなたのやりたいことを進めるうえで、追い風となっていることは何でしょうか。  

 

 自分でビジネスをやろうという人は、比較的考えやすい質問かもしれません。追い風はビジネスチャンスと同じです。たとえば、人口の高齢化が進み、元気な高齢者が増えているという状況は、高級ネイルサロンをつくりたい人には好環境です。比較的裕福な層をターゲットに、他のネイルサロンでは得られない極上体験を提供するといった発想がビジネスチャンスを活かすことにつながります。

 

 企業内でキャリアを積もうという方には、「追い風」といってもピンとこないかもしれません。でも例えば最近は副業を解禁する企業も出てきました。今までボランティアベースでやっていた活動を利益が出る活動に変えて、将来の独立により現実的に備えることもできるかもしれません。会社の中という狭い空間のなかにも、社内公募制度やアイデア募集イベントなどのチャンスが広がっているかもしれません。

 

 あなたの周囲に吹いている「追い風」に気づくためには、いつもより「感度を上げる」ことが大切です。普通だったら見過ごしてしまう現象を察知して、自分のブランドをつくるうえでどう役立つか考える機会と時間を持つことです。これを簡単にやる方法は、いろいろんな人とたくさん話しをすることです。特に異業種、違う環境の人と話すことです。人が違えば着眼点も発想もみんな違います。違いを楽しみながら、自分とは異なる考え方からヒントを得ることが、「感度を上げる」近道だと思います。

 

 さて質問です。あなたの追い風となっていることは何でしょうか。

 

 さてパーソナルブランドを形づくるパーツがだんだん揃ってきました。このあたりでブランディングには不可欠の「キャッチフレーズ」を考えてみましょう。キャッチフレーズは、あなたの人となり、ありたい姿、他人から見られたい自分を、端的に表す言葉です。そして周囲の状況に合致している方が有利です。パーソナルブランドはキャッチフレーズによって表現される、と考えてほぼ間違いないでしょう。人に言う必要はありませんから(言ってもいいですが)思い切って作ってみましょう。

 さてここまででキャッチフレーズが出来ました。キャッチフレーズはパーソナルブランドのコンセプトともいえます。ここまでできたら次は情報発信のフェーズに入ります。最近はSNSを使った情報発信がメジャーであり、効果も高いと言われています。ただ気を付けたいのは一方通行の押し付けブランドにならないこと。ブランドは自分と相手の間にできるイメージですから、相手の反応を見ながら、調整していくことも必要です。企業内の方は、キャッチフレーズに沿った言動で周囲と関わっていくのがよいかと思います。看板に偽りのないことが一番大切です。

 

 人は周囲から影響を受けてどんどん変わりします。だからブランドも時に合わせて成長していけばよいと思います。自分のことを大っぴらにPRするのが苦手な人は、こっそりパーソナルブランディングをやって、言葉に出すことなく行動で示していきましょう。時間はかかりますが、一貫性のある行動は必ず周囲に伝わります。

 


全文はこちらからダウンロードできます。

ダウンロード
ビジョリータ通信Vol.6(20180503).pdf
PDFファイル 718.6 KB