人と企業に幸せを~ビジョリータ通信 Vol.1

[改めて、なぜいまビジョン?]

  日経新聞によると2012年から始まった景気回復局面が高度成長期の「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目の長さになったと言います。新しい取引先を探すビジネスマッチングの会場では、発注希望企業の多さに比べて受注希望企業が少なく、どこもあまり仕事に困っていない状況が垣間見られます。ちまたでは「働き方改革」が叫ばれ、野放しにされていたサービス残業や目に見えない非効率を駆逐する動きが盛んです。景気低迷期に馴れてしまっていた私たちは、実感の乏しいままにバブルの波に飲み込まれているようでもあります。

 

 でも働く人たちは本当にいま幸せなのだろうか。ふと立ちどまってそう考えるとき、手放しに「はい」と答えられる人はそう多くはないと思います。

  「幸せ」の定義はそれぞれです。何かの出来事が契機となって突発的に発生した「幸せ」、例えば上司に褒められて嬉しいとか、ボーナスが増えてやる気になったとか、そういう幸せも良いのですが、私が考える「幸せ」は、将来に向かって希望をもって現在を生きている状態だと思います。そして、その希望をもたらすものが、ありていの言葉で言えば、将来のあるべき姿―ビジョン―だと思うのです。

 

 ビジョンには会社のビジョンもあれば、個人のビジョンもあります。個人のビジョンには人生のビジョンもあればキャリアのビジョンもあります。これらの抽象的な概念がいまどのように扱われ、活用され、会社の経営やブランディングや、働く人たちのキャリアに影響を与えているか、ひも解いてみていきたいと思います。

 

[古くて新しいビジョン]

 右脳優位の私はあまり得意な分野ではないのですが、まずはビジョンの理論体系からおさらいします。文献によってさまざまな取り上げ方があるのですが、私は比較的右脳的なアプローチがされているケン・ブランチャードの「ザ・ビジョン」(ダイヤモンド社)のフレームワークを活用しています。同書によるとビジョンの3大構成要素は、「有意義な目的」「明確な価値観」「未来のイメージ」となっており、それぞれ下記のように説明されています。 一見、難しそうに見えますが、自社や自分に適切な質問をすれば、答えの候補はいくつか出てくると思います。下の方に簡単なワークを用意しておきました。一度、お試しください。


[ビジョンを考えるプチワークショップ]


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