起業に向く人、向かない人

創業支援をやっていて、この人は良い起業家になるなぁと思う人に時々出会います。端的に言うとその特徴は、迷いがないことです。正確に言うと、内面の迷いはあるはずなのですが、その迷いに自分の中である程度の決着をつけている人、というニュアンスです。逆にいつまでも迷っている人は、あまり起業家に向いていない気がします。これも正確に言うと、答えを他人に求める人です。迷いを外部に見せて、誰かに答えを提示してもらうのを待っている人、こういう人は多分、一人で仕事をしない方がいいでしょう。

 

私たちは学校教育の中で、どんな問いにも決まった答えがあるという考え方に慣らされてきてしまいました。だからビジネスにおいても最短距離で成功する答えがあると思っている人が、意外に多い(これは起業だけでなく、仕事全般にいえます)。そういう人は、支援者である私たちに問いを投げかけ、答えを求めます。支援者たる私たちは、自分の中にある経験と知識を総動員して答えますが、その答えが、その人にとって正しいかどうかは最後まで分かりません。いろいろな人の視点、意見を求めることはすごく良いことなのですが、誰かが答えを持っているわけでは、絶対ないのです。

 

迷ってもなんでも自分で答えを出して、行動して、その責任を自分でとる。そういう覚悟がある人は、見た目にも気持ちが良くて、起業に向いているなぁと感じます。かくありたいですね。