コンサルティングコラム

第12回 エンゲージメント

エンゲージメントとかマネジメントとか、とかくカタカナが出てくると、何か誤魔化されているような気分になる方、多いと思います。実は私もその一人ですが、そんな偏見(あるいは正しい認識)はさておき、最近、人材管理の分野で「エンゲージメント」が注目されているというお話しです。

 

「エンゲージメント」というと、比較的身近なのは「エンゲージリング」。その文脈から見ると、「エンゲージメント」には、「契約」とか「約束」とかいう意味合いが適しています。企業で言えば、会社と社員の「契約」「約束」…? あまりしっくりこない日本語です。そもそも雇用契約とか就業規則とかいう、上から目線のルール的なものを連想してしまうところがよくありません。

 

ポジティブ心理学で有名なマーティン・セリグマンは、人の幸福にはPERMAで表す5つの要素があると言っています。この5つのアルファベットのうち2つ目のEがエンゲージメント。日本語でいうと「没頭すること」であり、アメリカの心理学者チクセントミハイがいう「フロー状態」と似ているとされています。

 

こうしてみると、人であれ、ものであれ、何か2つの「存在」の間に強い関係性があることを「エンゲージメント」と捉え、それがある状態は、幸福感と密接に関係していることがわかります。

 

人材管理の分野で重視されている「エンゲージメント」は、企業と従業員の間の強い関係性でしょう。ここで大切なのは、その関係が「対等」であることです。従業員が企業に貢献意欲を持つためには、それに匹敵するほどの強さを持った、企業から従業員に向けての配慮や魅力が必要なのです。

 

そして同じように企業と顧客の間にも「エンゲージメント」があると考えられます。企業から顧客に向けての配慮や魅力があるから、それに応えるように、顧客から企業に向けての強いつながりが生まれます。ブランドの概念がここに生まれてきます。

 

「エンゲージメント」の高い人は、仕事のパフォーマンスが高いと言われます。同じ文脈で「エンゲージメント」の高い顧客は、ロイヤリティも高く、企業に利益をもたらしてくれます。つまり企業と従業員、そして企業(従業員)と顧客の間に強くて良好な関係をつくることで、企業の利益と、従業員そして顧客の幸福を生み出すことができると言えます。