コンサルティングコラム

第5回 社長の不得手

どんな組織にも課題があります。そしてどんな人にも得意な相手と得意じゃない相手がいます。社長というポジションにある方でも事情は同じ。どんなに努力をしてもうまく対応できない、いわゆる相性の悪い人がいます。そんな場合、どうなるか。ふつうはあまり話をしないで済まそうとします。その結果、相手は理由もなく社長に嫌われたとか、疎んじられているとか感じ、余計に態度がよそよそしくなって、さらに関係は悪化します。組織においてこの状態はあまりよろしくありません。

 

悪循環を防ぐ一つのアイデアは、相性の良い人だけを採用するというやり方です。まず入口で選んでしまうのです。会社は学校ではありませんから、どんな基準で人材を選んでも誰にも文句は言われません。例えば人材採用の際に、配属される部署の先輩社員たちに面接をさせるという会社があります。これは、まずその人が一緒に働いて問題ない人かどうかや、会社の文化に合うかどうかを、すでに組織に所属する人の目から判断することになります。Googleは既存社員からの紹介を基本に人材採用をしていると聞いたことがあります。会社の社風や仲間をよく知っている社員が良いと判断した人材だけを採用しますから、入社後の組織へのなじみ方、社長との関係の取り方もうまくいくはずです。

 

またエニアグラムなどの心理学的なアセスメントを使って人材採用をする会社もあります。データを活用して人材を選ぶわけです。こういった性格判断ツールはタイプ別に対処法が提供されています。精度を検証したことはありませんが、対処法が分からず漠然と疎んじているよりも、少しずつ距離を縮める策は手に入れることができます。

 

 相性は英語でケミストリーと言います。曰く言い難き人間関係の機微を化学反応になぞらえた面白い表現です。組織は人で成り立つもの。その人の能力や組織の中で果たす機能だけでなく、醸し出す雰囲気や性格の傾向も理解しつつ、うまく回す方法を見つけたいものです。

 

←目次へ戻る