コンサルティングコラム

第2回 サービス・プロフィット・チェーン

みなさんはサービス・プロフィット・チェーンという言葉をご存知でしょうか。ネットで検索するとすぐに出てきます。働く人の満足度が上がると、顧客満足度が上がり、業績が上がるという連鎖をシンプルに描いたもので、提唱者はヘスケット(J.S.Heskett)・サッサー(W.E.Sasser,Jr.)のお二人。1994年のことです。多くの中小企業経営者にとって「言うは易し、行うは難し」という種類のものだと思います。

 

働き方改革かまびすし現在においては、従業員をモノやカネと同列の意志のない資源とだけ考える経営者はもう多くはないでしょう。「人材ではなく人財」とか「人は石垣」とか言った言葉は、ただのきれいごとではなく、実際の経営にとって不可欠な考え方になっています。

 

でも、従業員の話とお客様の話を天秤にかけると、目先の利益をもたらすお客様の獲得やその満足の向上に多くの時間を割いてしまう現実もまた認めざるを得ないと思います。(そうではない、という経営者の方もいらっしゃるとは思いますが、あくまでも一般論としてお読みください)

 

その理由の一つは、「働く人の満足」の定義が難しいからです。給与を上げ、休みを増やすなどいわゆる「衛生要因」を改善すれば、満足度は上がります。ただそれは長続きするものではなく、一定期間が過ぎれば、もっと良い給与、もっと快適な待遇を求めはじめるのは人の常とも言えます。アプローチすべきは「動機付け要因」の方です。人がどうすれば動機づけられるか、その答えは、人はどうすれば幸せを感じるかという問いへの答えとほぼ近しいところにあると思います。

 

幸福学で有名な慶応大学の前野先生は、幸せの4つの因子を提唱しています。すなわち、「やってみよう因子」「ありがとう因子」「なんとかなる因子」「あなたらしく因子」です。この4つの因子を満たす環境を会社の中に作ることができれば、動機付け要因が強まり、サービス・プロフィット・チェーンが回り始めるはずと私は考えています。つまり業績アップを狙うなら、社内の環境整備から手をつけるのが正しい選択と言えるのではないかということです。

 

 

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